第22章 特別短編 愛してるよっ
「なに言ってんだ!セックスは大事なんだぞ!?」
すげえでかい声で雅紀がいうから、周りがこっちに注目した。
「ばっ…お前っ…」
「いいか智…セックスってのはな、相手のこと本当によく分かるんだぞ!?」
「わ、わかったから!少し黙れ!」
突然、雅紀は泣いた。
「えっ…ちょ!お前…」
「智ぃ…セックスってのはなあ…」
「えーお前…ちょっと待てよぉ…」
泣きながら雅紀は俺に抱きついてきた。
「やめろって…」
「智…ほんとに大事なことなんだ…」
「雅紀…」
「好きなヤツと身体を重ねるって、本当に本当に…大事なんだ…お互いの気持ちが、通じ合うんだ…」
最後はもうなに言ってるかわからない位、小さな声だったけど…
雅紀はどうやら真剣に忠告してくれてるらしい。
滝沢のこと、思い出したのかな…
「ごめん…雅紀…」
「なに謝ってんだよ…一緒に考えてやるよ…」
ぐずっと鼻を鳴らしながら、雅紀は身体を離した。
「え…いいよ。これは俺達のことだし…」
「いいや。なんかいい方法ねえかな…?」
暫く雅紀は考え込んでた。
「潤が…足良くなれば…それが一番だよな」
「まあ。そりゃそうだけどさ…」
「よし。病院、もう一回探す!」