第4章 truth
「翔、今日ね、病院へいくよ」
「はあい」
「翔を診てもらうからね?」
「はあい…?」
「俺も一緒に行くから、大丈夫だよ?」
「うん…」
翔の洋服を着せると、翔はもぞもぞと落ち着かない素振りを見せた。
「大丈夫だって…ひとりじゃないからな…」
「かずくんもいっしょ?」
「そうだよ。一緒に行くから」
「かずくん…」
甘えるように俺に身体を擦りつける。
「帰ってきたらだっこしてやる…」
「うん…」
親指を咥えながら、翔は大人しく病院についてきた。
検査をして、翔の所見が出た。
知的障害、それ以外の合併症はなしとのことだった。
ほっと胸をなでおろした。
知的障害のある人は、大抵なにか合併症を持っている。
ダウン症とか自閉症とか…
またさらにそこからてんかんとか、うつ病とか多岐にわたる症状を抱え込むことになる。
翔は知的障害だけだった。
身体は健康で知能に問題がある、という結果だったのだ。
病院からの帰り道、31アイスに寄って、翔の好きなものを頼んだ。
キャラメルクリームが練りこんであるアイスと、チョコミントのアイス。
今にも食べそうな勢いだったけど、家まで我慢させた。
お店を出ると、駈け出して行きそうなのを止めるのに苦労した。