第21章 is a rose…
家に帰ったら、一生懸命どんぐりにいかに赤ん坊がかわいいかを熱弁している。
どんぐりはちょっと迷惑そうな顔をして、俺の顔をチラチラみてる。
いつも舐めた態度を取られているから、俺は知らん顔しておいた。
「翔、飯くうぞ」
「かずくん…」
「ん?なんだ」
「あかちゃんほしい!」
「ぶふっ…」
女みたいな顔してそんなこと言うから…
翔が妊娠してる姿を想像してしまった。
「あのね…赤ちゃん誘拐なんかしたら、犯罪だからな…?」
「あかちゃんはどうやってくるですか?」
「どうやってって…」
もう…うまく説明できねえよ…
「そ、そのー…女の人が産むの」
「がおはおんなのひと?」
「そうだよ…あたりまえじゃん」
「しょうは?しょうはおんなのひと?」
「ばっ…お前、おちんちんついてるだろうが!」
「じゃあうめないですか…」
シュンとしてしまった。
「かずくんはおんなのひと?」
「ばっ…!俺もお前とおんなじもん付いてるだろうが!」
「あかちゃんこないですか…?」
「こないよ。うちには。さ、飯…」
翔がどすんと俺に抱きついてきた。
勢いで床に倒れこんでしまった。
「しょーう…」
「あかちゃん…ほしい…」
「しょうがないだろ…?俺達じゃ作れないんだから…」