第21章 is a rose…
「やーだぁ…あかちゃんもっとだっこします…」
「だめだって!もう帰るぞ」
「翔…また来たらいいじゃん」
「あかちゃんつれてかえりたい…」
「ばっ…ばか。ほら帰るぞ?どんぐり待ってるから」
「うー!」
「…あーあ…どんぐり泣いちゃうな…」
「な、なに?どんぐりって」
「あ。犬の名前」
「へえ。犬飼ってるんだ」
「職場の犬だよ。さ、行くぞ?翔。じゃなガオ」
ぐずる翔を連れてやっと病室の外へ出る。
風間が送って出てくれる。
「あ、いいよ。ガオについててやんなよ」
「ありがとうございます」
風間は俺に封筒を渡してきた。
「来月新しいGravityのお披露目会をしますので…営業はまだ先だけど、パーティ来てください」
「え?いいの?」
「そんとき、STORMさんで回して貰ってもいいですか?」
「あ、いいよ。出演料は祝いってことで要らないから」
「いえ、それはいけませんよ」
なんて言ってたら新生児室の前についた。
また翔はガラスに貼り付いて動かなくなった。
「あかたん…」
風間が苦笑いした。
「赤ちゃん好きなんですね…」
「俺も知らなかったよ…」
翔は飽きもしないで赤ん坊を見ては笑ってる。
「かーわいいっ」