第21章 is a rose…
「入っていいよ」
カーテンを開けると、ガオは赤ん坊を抱っこしているとこだった。
「え?あれ?」
「今ね、授乳の時間だったの」
「え、大丈夫?」
「もう終わったから大丈夫」
そう言ってガオはそっと俺たちに赤ん坊を見せてくれた。
「わあ…あかちゃん…」
「おお…小せえ…」
「抱っこ、してみる?」
「えっ…首座ってねえんだろ?こええな…」
「だっこする!」
翔がいきなり手を上げた。
「お前…」
「ふふ…いいよ。手、消毒してね?」
傍らから消毒ジェルを取り出して翔の手に噴きつけた。
翔は手を擦って、気合を入れた顔をした。
「お前、赤ちゃん抱っこしたことあるの?」
「ぼくおにいちゃんだからだいじょうぶです」
「は?お前兄弟いないだろ?」
それには答えず、そっと翔はガオに向かって手を伸ばした。
「ここ、支えて…そう、翔上手よ…」
翔は上手に赤ん坊を抱っこした。
「あかちゃん…」
そっとそっと…
宝ものみたいに翔は赤ん坊を抱っこし続けた。
愛おしそうに…
「ふーん…なんか様になってんじゃん…」
「翔は優しいから、大丈夫だよ…」
ガオは笑って翔を眺めてる。
「名前決まったの?」
「ん…まだ迷ってる」
「そっか…」