第20章 特別短編 俺達の道
なんで…秀明の日記を読もうと思ったかはわからない。
ただ、探偵さんからの報告書にその記述があったことを、翼が来てから思い出した。
和の言葉になんだか俺は思い迷って。
そこに何か答えを求めたのかもしれない。
翼が眠ってから、ファイルを開く。
「ごめんな、秀明…」
日記をみることを申し訳なく思いながらも、スクロールしていった。
読み出したら止まらなくなって、気がついたら朝が来ていた。
「うわ…ビビった…」
外が明るくなったことにも気づかなかった。
それくらい集中していたようだ。
「参ったな…やっぱり、そうだったか…」
日記の内容は、だいたい秀明が語ったものだった。
だから驚きはなかった。
ただひとつ、秀明が語らなかったこと…
それは翼のこと。
翼と秀明は…一心同体だったんだな…
なんとなく…秀明が亡くなった時のことを思い出した。
”翼…にーちゃがずっと一緒にいてやる…ずっとだ…”
俺はそう約束したんじゃなかったっけ…
だけど、ガオたちの元にいるほうが、よっぽど翼のためになると思って俺は翼を預けた。
それは本当に…翼にとっていい判断だったんだろうか…
そろりと翼の横に潜り込む。
枕に頭を乗せると、そっと隣で眠る翼に腕枕してやった。
いつも、秀明がしてやってたみたいに。