第20章 特別短編 俺達の道
話し合いの前に、出来上がったGravityの絵の完成稿を見せた。
「わ…凄い…」
「どう?これならガオのご要望にお応えできてると思うけど?」
この絵を完成させるに当って、アメリカの侑李にも働いてもらった。
別途ボーナス出さなきゃな…
「ん、これで。ね、風間いいでしょ?」
「ああ。ガオが言ってたのとイメージぴったりじゃないか」
「うん。嬉しい…」
お腹を撫でながら幸せそうに微笑むガオは、この世で一番幸せそうだった。
それを見ている風間も、翼もなんだか幸せそうだった。
「…じゃあ、これで進めてくれる?」
「はい。かしこまり」
ガオは翼を手招きすると、俺の隣の席に座らせた。
円卓を囲むように俺たちは話し合いを開始した。
「ね、翼」
「はあい」
「しばらくね、にーちゃのところで暮らす?」
「え?」
「あのね、パパとママね赤ちゃんがくるからちょっとだけお家に居なくなるの。その間、にーちゃのお家くる?」
「にーちゃのおうち…」
「もちろん、翼が嫌だったらこのお家にずっと居ていいんだよ?」
風間が静かな声で語りかける。
「翼はお兄ちゃんになるんだからな。だからちょっとくらい淋しくても、我慢しなきゃいけない」