第19章 特別短編 あの日から…
青年たちに礼を言って、家に帰ってきた。
あの二人は心配そうに俺たちを見ていた…
こんな怪しい爺さん二人に、よくあの二人をみせてくれたものだ…
きっと、底抜けにいい子達なんだろう。
「潤…?大丈夫?」
「ああ…智こそ…」
「心臓に悪いね…あんなに似てると…」
「そうだな…蘇ったのかと思った…俺達はこんなに爺さんになったのにな…」
「小出さんも…旅立ったのにね…」
智が仏壇においてあるavidの写真を見つめている。
そこには俺と智以外、旅立っていった人たちが写っていた。
「小出さんが…引きあわせてくれたのかな…」
「そうかもね…にしても、いたずらが過ぎるよ…」
「本当に似てたねえ…」
「ああ…幸せそうでよかった…」
目を閉じると、涙が溢れてきた。
「潤…」
「ああ…」
智がそっと手を握ってくれた。
「もしかして…生まれ変わったのかもね…」
「そう、だな…」
「ガオとか雅紀まで生まれ変わってたりして…」
「もしそうだったら、会いたいなあ…」
「そうだね…」
「酒でも飲んで…あの時大変だったなって…」
「潤…」
「ああ…わかってる…あの子達は、翔や和也じゃないってわかってるよ…」