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Re・Birth【気象系BL小説】

第19章 特別短編 あの日から…


「見て…ここに和也もいる…」
「え…?和也のことも知ってるんですか?」

智が聞くと、じいさんたちは黙りこんだ。

「君たち…この子たちを遠くから見ることは可能か…?」
「え?」

智に似たじいさんは目を潤ませている。

「頼む…会わせて欲しい…」

俺たちは呆然としながらも、頷くしかなかった。


「和也!」

犬の散歩をしている和也と翔を捕まえたのはそれから二時間後だった。

「潤に智…どうしたんだよ…」
「ちょっとそこまできたから、寄ってみたんだ」
「じゅんくん!さとくん!」
「おお!翔、元気か?」
「はい!げんきです!」
「上がってけよ。茶くらいだすぜ?」

わんわん!と足元で犬が吠える。
智がにこにこしながら犬を撫でる。

「いや…この後、用事あるから…な?智」
「うん。顔見に来ただけだから」
「なんだよ…晩飯くらい一緒にいこうぜ?」
「あそぼ?」
「いや…また、ちゃんと連絡してからくるよ。今日はちょっと寄っただけだから…」

残念顔の二人と一匹を残して、俺達はその場を離れた。
路地を曲がると、車が一台。
そこに乗り込むと、二人のじいさんが待っていた。

「ありがとうな…」

ふたりとも、泣いているみたいだった。

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