第18章 特別短編 秀明
それでも俺にはここにしか居場所がないと思ってた。
外に出れば…いろんな世界があるのにね。
あの時の俺は、ガキ特有の狭い世界にいたんだ。
暫くすると、翼の居る別宅に連れて行かれた。
地下の家に、ずっと翼は閉じ込められてた。
翼には障害があった。
だから、なにをされているのか全くわかっていない。
わかっていないから、翼は汚れていない。
俺とは対照的な無垢なガキだった。
「お前、そこで見てろ」
おっさんが言うから座ってたら、翼とおっさんはベッドでおっぱじめやがった。
「ほら…見てみろよ…こいつ、寝るって言ったらセックスするんだぜ…?くっくっく…」
おっさんは嬉しそうに翼の下で寝転がっていた。
「ここまで仕込むのに時間かかったなあ…オイ…ああっ…翼、上手だなぁ…お前は…」
翼はおっさんの上で、無心に腰を振っていた。
自分で自分のモノ握りこんで扱いてる。
そしてうっとりした顔で、おっさんを咥え込んでるんだ…
これが…
俺の住む世界なのか…?
こんなに真っ暗な場所なのか…?
この時の俺には、絶望しか見えてなかった。
特殊な性癖…
男にしか勃たない…こんな性癖を持ってるばっかりに、俺はこんな暗い場所に堕ちなければならないのか…