第16章 rebirth
「いやだ…ごめん…翔っ…ごめんな…」
「かずくん…?どうしたの?」
「ごめんっ…もういやだ…いやだ…」
「かずくん…」
翔の胸を離れようともがくけど、翔は俺を離してはくれなかった。
「かずくんっ…」
泣いている顔を見られないように隠していた腕を無理やり解かれて…
「ないていい!ないて!」
真剣でまっすぐな目で見られて。
ますます自分が汚いもののように思えて…
離れなきゃ…翔から離れなきゃ…
「かずくんっ…」
翔にぐいっと引き寄せられて、身体を密着させられた。
「やあああっ…だめっ…翔っ…」
「かずくんっ…かずっ…」
暴れる俺を捕まえて、翔は俺にキスをした。
久しぶりに触れる…温かい唇…
身体から湧き上がってくる欲を、抑えきれない。
「だめ…だめだよ…翔…俺は…」
翔は俺の身体を撫で始めた。
「かずくん…」
癒やすような、手の動き…
「だめなんだって…」
「だいじょうぶ…」
そっと翔の唇が、俺の首筋に触れた。
「あ…」
慈しむように、それは始まった。
翔の手が、唇が俺の身体を滑っていく。
知らないうちに息が上がってくる。
翔の手が俺の服をゆっくりと脱がせていく。
全て脱がせると、翔も自分の服を脱いだ。
俺たちは、生まれたままの姿になった。