第16章 rebirth
「おー動く動く」
皆、俺の足首を見て拍手してくれた。
「そんだけ動きゃ、歩けるじゃん?」
「それがさ…」
ベッドから足をついてスリッパに足を入れる。
2、3歩、歩いてみるけど転びそうになる。
「どういうこと?」
潤が首を傾げる。
「股関節がどうも、上手くはまってないみたい」
「え?だって折れてたの足首だろ?」
「そうなんだけど…なんかそうなんだって」
俺には身体の詳しいことはよくわからないけど…
全身を強く打ってたみたくて、その時に肋骨とか折れて。
股関節も一回外れてしまったんではないかということだった。
後から偶然はまったけど、ちゃんとははまってなかったみたい。
「そっか…じゃあ、そっちもリハビリ必要なのか…」
「うん…でも、あんまり良くはならないみたい。時間、経ちすぎてるって…」
皆、黙って俺の顔を見た。
「大丈夫。こっちはなんとかする」
「ん…カズ…がんばろ?」
「おう…潤、一緒にがんばろうな」
「おう!」
潤とまた、グーを合わせた。
時間はさらさらと流れる。
少しも止らない。
俺の足は自由に動くようにはならなかった。
いろいろな名医とか整体師に掛かってみたけど、少し動きは良くなるだけで、歩き方はぎこちないままだった。