第16章 rebirth
カウンセリング…
「俺、そんなに安藤のところで酷い目に遭ったの…?」
雅紀がベッド際で俺を見上げた。
智と潤も一緒に病室に居た時だった。
見舞いに来てくれた雅紀に、俺は話を聞いてみることにした。
雅紀が全部を知ってるわけじゃないと思うけど、雅紀が一番近いところに居たようだから…
「翔を…どこかに…」
雅紀が智に言うと、翔は嫌がった。
「ぼくもここにいるっ…」
「ダメだよ。翔。智と行って?」
「かずくん…」
「潤も外して貰ったほうがいい」
「え…?」
潤は頷いて、自分で車いすを操作して部屋を出て行った。
それを見て、智と翔も一緒に部屋を出て行った。
「…そんなに…?」
「うん…」
雅紀は顔を伏せると、俺が保護されたときの状況を語りだした。
俺が安藤にどんなことをしたのかは、公安の連中から事情聴取されたときに聞いたけど、自分が安藤にどんなことされたかは聞いていなかった。
雅紀は重い口を開いた。
保護されたときの俺は、全身ボロ布にまとわれているようだったと。
救急車の中で服を切り裂かれ見た俺の身体は、全身痣だらけで。
新しいものも、古いものも無数の痣があったそうだ。
思わず目を逸らしたくなるくらいの数。