• テキストサイズ

Re・Birth【気象系BL小説】

第3章 fact


殆どのスタッフは女性で。


皆、俺達の回りに集まってきてる。


その中で、俺達のほうに来ない人が居た。


石井先生…


顔を真っ青にして、部屋の隅で佇んでる。


なんだろ…あの人。


昨年末からうちの施設で働くようになって、とても明るいし気のつく女性だ。


保育士の資格も持っているから、年少担当になっている。


翔がパートのおばさんやどんぐりに気を取られている間、ずっと翔を凝視してた。


「二宮さんわかりました。それでは、皆さんミーティング…」


主任が声を掛けた瞬間、翔が走りだした。


「翔!?」


「せんせえっ…」


翔は石井先生に抱きついた。


「えっ…」


石井先生は観念した顔をしていた。


ゆっくりと翔の背中に腕を回し、しっかりと翔を抱きしめた。


「翔くん…元気にしてた…?」




スタッフルームの隣に小さな部屋がある。


これは個人面談をするときの部屋で、こじんまりとしている。


石井先生を窓辺に座らせて、離れない翔も隣のイスに座らせた。


親父も部屋に来ている。


「石井先生。翔のこと、教えてくれませんか?」


さっきから石井先生は黙ったきりで、ずっと翔の手を握って遠い目をしている。


埒があかないから、親父も呼んだのだ。


他のスタッフは、始業時間なので散っている。
/ 440ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp