第16章 rebirth
「えっ…なんでって…その…」
なんだか潤はもごもごと言いよどんだ。
「だってここ、完全看護だよね?翔は入院患者だからいいとして…なんで智まだいるの?」
「えっと…探偵さんがそのように計らってくれてな?」
「いやでも、もう智の身にキケンはないし…あ」
「な、なんだよ」
「もしかして…うまく行っちゃったの?」
「…し、知らねえ」
「照れるなよ。俺は智の気持ち知ってるんだぜ?」
「なんだ…お前に言ってたのかよ…」
「お前が事故に遭った時…聞いた」
潤は真顔になって俺を見た。
「そっか…」
頭をぼりぼりと掻くと、にこっと俺に笑いかけた。
「そういうことになりました」
「うお…マジか…」
「なんだよ…いけないかよ…」
「いや…お前。女好きだと思ってたから…」
「知らねえよ…智だけだよ…こんなん。お前にチンコ勃たねえもん」
「だろうね。俺だって翔にしか勃たねえもん」
「だろ?」
「おん」
俺たちはニコッと笑うと、グーを作って合わせた。
「ま、これからもよろしく」
「こちらこそよろしく、先輩」
「なんの先輩だよ…」
「そっちの道の…」
「どっちの道だよ…」
その時、療法士の先生が現れた。
「二宮さん?」
振り返ると、大男が居た。