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Re・Birth【気象系BL小説】

第15章 hope











「えっ…和也が!?」

和也のお父さんが、叫ぶような声を上げた。

「分かった…市立病院だね…すぐ向かいます」

通話を終えたお父さんは俺の顔を見た。

「大野くん、翔くんを頼めるか?」
「はい、任せてください。和也が見つかったんですね?」
「ああ…だが…」
「…どうしたんですか…」

嫌な予感…

「意識がない…重体だそうだ…」
「そんな…!」

静か過ぎる翔の病室に、俺の声が大きく響いた。

「とにかく私は向かうから、後は頼んだよ…」
「はい…」

お父さんは俺の肩に手を置いた。

「連絡するから…」

そう言うとジャケットを掴んで病室から出ようと歩き出した。

「ああああああっ…」

突然、翔がベッドから飛び降りてお父さんにしがみついた。

「ぼくもっ…ぼくもいくっ…えんちょおせんせいっ」
「翔…」
「かずくんっ…かずくんにあいたいっ…」
「ほら、だめだって…」

腕を掴んでもすごい力で振り払われた。

「いやああっ…つれていってぇっ…せんせぇっ…」
「翔くん…」

点滴を無理やり引き抜いたから腕から出血してる。
病院着に血がどんどん滲んでいく。

翔の叫びは廊下まで響き渡った。


「かずくんっ…かずくんにあいたいっ…あわせてぇっ…」

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