第15章 hope
病院に到着すると、処置室に運び込まれた。
私と相葉さんは、ただ外で待っているしかなかった。
「あ…相葉さん、二宮さんのご家族に連絡を…」
「ああ…ええ…」
相葉さんは震える手でスマホを取り出したが、上手く操作ができないようだった。
そんな相葉さんを横目で見ながら、美穂さんに連絡をした。
病院の名前を伝えると、向こうの状況は警察同士の小競り合いになっているらしく、埒が明かないとのことだった。
まったく情けない…
通話を終了して、処置室の入り口を眺める。
せっかくここまできたのに、二宮さんがあんなことになっていて…
相葉さんはまだ上手くスマホを操作できずにいる。
「貸してください」
代わりにスマホを操作して、渡した。
「すいません…」
相葉さんが二宮さんのお父様に電話している間に、処置室から二宮さんを乗せたストレッチャーが出てきた。
緊急手術になるという。
相葉さんと二人で医師の話を聞くと、全身何箇所か骨折、やけど、新しいものと古いものの打撲、そして性的暴行の痕。
相葉さんが顔を手のひらで覆った。
何故か心臓が激しく弱っているが、外科手術を優先して行うということだった。
とにかく開けてみないとわからない。
事態は急を要していた。