第15章 hope
「相葉さん!二宮さんを!」
相葉さんと由美さんが飛び込んできて、二宮さんを抱き起こした。
瞬間、安藤が起き上がろうともがいた。
「相葉さん一人で二宮さんを運べますか!?」
相葉さんは何も言わず、二宮さんを抱え上げた。
「行けます」
「車に!」
そう叫ぶと、相葉さんは部屋を駆け出していった。
由美さんは残ると、一緒に安藤を押さえた。
安藤はもがいているが、何故か足首をワイヤーで固定されていた。
「これは…二宮さんがしたことか…?」
防毒マスク越しに由美さんが呟く。
「この爆発もそうでしょうね…殺そうとしたんだわ…」
美穂さんも呟いた。
その時、部屋の入り口に大きな物音がした。
さっと身構えたが、現れた男を見て、力を抜いた。
「渡してもらおうか。先輩方」
そう言ってニッコリ笑って入ってきたのは、武装した小原だった。
安藤はそれを見て、観念したのか失神したのか動かなくなった。
小原の後から、次々と武装した公安の連中が入ってくる。
「すいません。遅くなりました。相葉さんと二宮さんは保護してますんで」
そう言って私達を立ち上がらせた。
「ち…お前の手柄にしといてやるよ…」
由美さんはそう言うと、小原の頭をぽかりと叩いた。