第15章 hope
黒い煙の出る部屋のドアを開けようとしたが、開かない。
相葉さんを振り返ると、まだしっかりした顔をしていた。
「蹴破れますか?」
「やってみます」
どんなに頑張っても、やはり男性のほうが力は強い。
由美さんと二人でドアを蹴破ってもらった。
「せぇーのっ!」
ガコンとすごい音がすると、ドアが外れて倒れてきた。
二人を突き飛ばして、素早く中に向かって銃を構える。
銃とはいっても、サバゲで使うもので中には2B弾が入っているものだけど。
煙の中、揺らめく人影が見えた。
「安藤っ…」
辺りにうっすらとガスの臭いが漂っている。
小規模なガス爆発を起こしたのだろう。
煤けた天井、そしてチラチラと炎の見える部屋。
部屋には白と黒の煙が充満しかかっていた。
その一番奥で二宮さんが横たわっているのが見えた。
直ぐ側にはナイフを構えて今にも振り下ろしそうな安藤が居た。
「安藤っ…」
何も考えず、すぐに銃を発射した。
安藤の手首にそれは炸裂した。
「ぐああああああっ…」
よく見ると、安藤の顔は焼けただれていた。
全身も服が焼け焦げている。
安藤がこちらに来ようとして床に倒れ込んだ。
「ゴー!」
美穂さんが飛び込んできて、二人で安藤を押さえた。