• テキストサイズ

Re・Birth【気象系BL小説】

第15章 hope


「お預かりします」

流麗な視線を私に投げると、翼くんを抱き寄せた。

「ごめんな、ガオ…俺んちこれ以上はちょっとね…」

相葉さんの実家からはたくさんの資金援助を受けているから、翼くんを預けるのに抵抗があったのだろう。

「風間もごめんね、頼むわ」
「はい、かしこまりました」

風間という優しい顔をした男性は、相葉さんに軽く頭をさげた。
この人はガオさんのボディガードだそうだ。

「翼は…なんてったっけ?自閉症ってやつなんだ」
「そう…大丈夫。弟がそうだったから…慣れてるわ」
「え?弟さん、いるの?」
「もう、死んだわ」
「…そっか…」
「気にしないで。早く和を救ってあげて?」
「…うん」

翼くんはおとなしくガオさんの腕に抱かれている。

「さ、翼…あっちで遊ぼうか…」

ガオさんの私邸は、六本木の一等地にある。
ビルの中の一室に3人は消えていった。

「さ、行きましょう」


東横線沿線の日吉。
ここに向かって、車を走らせた。

「…案外近いところに居ましたね…」
「多分、二宮さんを連れてそれ以上行けなかったんでしょう」
「今でもそこにいるってことは、二宮さんは無事ってことですね」

私が言うと、相葉さんが目を上げた。
その目には光が宿っていた。
/ 440ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp