第14章 burn
「え…和也が行方不明…?」
潤が上ずった声を出した。
「うん…ずっと言ってなくてごめん。ひと月程になる」
「どういうことだよっ!?」
雅紀はイスに座りながら俯いてしまった。
「…安藤に…」
「え…?」
「捕まったんだ」
それは、どんなことを意味するのか。
翔を保護した俺達には、想像が容易についた。
「まさか…和也ヤラれてんじゃねえだろうな…」
「…わからねえ…」
潤がぎゅっと布団を握りしめた。
俺の顔を見上げて、泣きそうな顔をした。
「潤…」
そっと腕に手を添えて、俺は潤を落ち着かせた。
「で、今日はお前だけなの…?」
「ああ…」
「翔とかどうしてんの?元気なんだろ?」
「それが…」
翔は和也が連れ去られた日から、飯を食わないのだという。
なんとか無理やり食わせるんだけど、限度があって…
今日、この病院に入院させることになったというのだ。
「嘘だろ…?翔にはわかってんのかよ…」
潤が手で口を覆った。
ぽろりと涙がこぼれ落ちていく。
「潤…見舞い、行こうか…」
「ああ…いいんだろ?雅紀」
「うん…大丈夫だよ」
俺は潤の身体を支えて、車いすに乗せた。
雅紀が驚いた顔をした。
「潤…!足…」