第13章 these
「頼むから服…パンツだけでも履いてくれ!お前もう、毛生えてるんだから…!」
「雅紀、そこじゃねえだろ…」
「つばさくん!わるいこ!」
「うえええええええええ…」
大騒ぎだよ…もう…
なんとか翼に服を着せて、倉庫の一隅に作った部屋で寝る。
簡易的に作った部屋で、パーテーションで回りを囲って、人数分の布団を敷けるだけのマットレスを敷き詰めてある。
野郎はそこで寝る。
女性陣は交代で見張りをしているから、事務室で寝泊まりしている。
俺達も夜間の見張りを、と申し出たが慣れないことをすると体調を崩すからと断られた。
そうだよな…体調なんか崩したらそれこそだ。
だから俺達はしっかりと夜は眠ることにしてた。
ある夜…
外が騒がしかった。
「起きて!起きて下さい!」
美樹さんの声が響く。
「安藤が来ました!起きて!」
俺たちはいつでも動けるよう、パジャマみたいなものは着ていなかった。
そのまま飛び起きて、美樹さんの後に続く。
「安藤は一人です。外で決着は着くと思いますが、ここで待ってて下さい」
倉庫の備品室に俺たちは入れられた。
「いいですか。絶対に開けてはいけませんよ」
そういうと美樹さんは両開きの戸を締めた。