第11章 will
「潤…?」
智が自分で言ったくせに、戸惑った声を出す。
それでやっと落ち着きを取り戻した。
「智…」
声が掠れた。
「シてよ」
何をしているんだろう。
何をされてるんだろう。
てっきり、手で扱くだけだと思ってたんだ。
なのに、今俺のアレは…
智の口の中にいて。
いやらしく動く舌で翻弄されてて。
何も考えられない。
気持よくて。
事故以来、こんなことするの初めてだった。
まだ身体の傷は塞がってないから、身体に力も入れられなくて。
快感を逃すこともできず、何度も智の口の中に放った。
もういいって言っても、口から出るとすぐに立上がる俺を見ると智は咥え込む。
「ああっ…もぉ…智…出る…も、あっ…ああっ…」
ちらりと俺を見上げる智の目はみたことないくらい妖艶で。
「イクっ…」
目の前が真っ白になるまで、智にイカされ続けた。
気がついたら朝になってた。
カーテンは開け放たれていて、智はソファで座ってた。
「あれ…智…」
智はこちらを見て微笑んだ。
「寝てないの…?」
「寝たよ。大丈夫」
また、嘘の笑顔。
「寝てないんでしょ?わかるよ」
「潤…」
智は項垂れた。
「昨日、ごめん…」
「え?」
「あんなことして、ごめんな…」