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Re・Birth【気象系BL小説】

第11章 will


知らないこと…?
それって…それってさ…
もしかして。
もしかして
お前が…

「夕飯、まだ食べてなかったのかよ」

そう言って智はトレーを引き寄せた。
スプーンを手に取ると、おかゆを掬って俺に差し出した。

「ほら、食えよ」

その目は、あくまで温かく俺を見てる。
その手は、いつも俺を支えてる。

口を開けると、冷たくなったおかゆが入ってくる。

「冷めてるからまずいだろ…」

そう言いながら、じっと俺が噛み砕くのを見守ってる。

まだそんなに食べられないから品数は少ない。
あっという間に食べ終えたら、智は食器を下げに行ってくれた。

なんだか疲れた…

事故にあってからもうどのくらい経ったのだろう。
この病室で智と暮らすようになってどのくらい経ったのだろう。

カズたちは、あれから一回も見舞いにはこない。
来られないのだと智は言っていた。
カレンダーをじっと見る。

「一ヶ月…経ったのか…」

時の流れがなんだか早い。
ずっと寝てるだけの生活なのに…

智が戻ってきた。
手には清拭の道具を持っている。
個室だけど、智はカーテンを引いた。

「昼間、できなかったから今からやるからな」

そう言って俺のパジャマを脱がせた。
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