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Re・Birth【気象系BL小説】

第10章 stream


「たっきー…いない…」
「うん。お星様になったからね…ここにはいないよ」
「たっきー…さみしい…」
「そうだね…にーちゃも淋しいよ…」
「いっしょ?」
「うん。いっしょ」

翼は俺の方を向くと、唇にキスしてきた。
べろっと舌を出すと俺の口の中に入ってこようとする。

「翼…そんなことしなくていいから…」
「やだ。するの」
「翼!」

びくっと翼の身体が揺れた。

「ここでは、やめてくれ…頼む…」


涙が零れた。

秀明…秀明…

助けてくれよ…


カタンと背後で音がした。
振り返ると、既に消えていたろうそく立てが倒れていた。

「ごめん…」

なんとなく、秀明が俺を励ましてる気がした。

ろうそく立てを直すと、秀明に向き合った。

その冷たい唇にキスをすると、頬に触れた。

「…愛してる…秀明…」

振り切るように布を被せた。

「翼、行こう?」

びくっと身体を縮こませた翼の手を引いた。

「ほら、たっきーにバイバイしな」
「ばいばい…たっきー…」
「ほら…行くぞ…」

もう喋れなくなりそうだった。
俺たちは、皆が待つところまで無言で歩いた。

「じゃあ、行きましょう」

美穂さんと由美さんが俺たちに付いてくれた。
美樹さんという人は、まだ安藤を追っているらしい。
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