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Re・Birth【気象系BL小説】

第10章 stream


「え?」
「最初のご依頼だけだと、安藤の身辺調査だけだったもので…相葉さんと面会できなかったので、既に警護させていただいております。
勝手に判断して申し訳ございませんが…」
「あ、はい、それはもちろん。お願いします」

腕に抱いている翼が身じろぎした。

「にーちゃぁ…」
「ん?ここにいるよ?」
「んー…」

翼はまだうとうととしている。


休憩室で暫く待っていると由美さんが戻ってきた。
智に向かってオッケーサインを出した。

智は俺達に頷くと、休憩室を出て行った。

「じゃあ、我々は行きましょう」
「笹塚に?」

和也が問うと、美穂さんは首を横に振った。

「いえ…また別の場所を確保しましたので…」

あそこ、笹塚だったんだ…

「あ、すいません。秀明の遺体はどうなるんでしょう」
「大阪にご家族がいるので、引取にいらっしゃいます」
「大阪…?」
「中学生のころ、安藤に襲われてから引っ越した先が大阪だったんです」
「そんな…」
「最後のお別れをしますか…?」
「……翼と二人だけで行っていいですか…?」
「もちろん」

俺と翼はふたりだけで霊安室に入った。

「にーちゃ?」
「翼、秀明とお別れだから…」

顔にかかった白い布を取った。

生きてるような顔…

少しだけ白いけど、ただ眠ってるみたいな顔…

「秀明…」
「たっきー…?」

翼は秀明の頬に触れた。
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