• テキストサイズ

Re・Birth【気象系BL小説】

第10章 stream


「美穂さんが車をこちらに回しています。安藤は今、美樹さんが追っていますから、安心してください」
「えっ…美樹さん居たんですか?ここに…」
「ええ。安藤を追ってきたみたいです」

さらっと言ってるけど…由美さぁん…

力が抜けて上手く歩けない。
翔も泣きじゃくって全然立ち上がれない。
智も頭を殴られたみたくて、頭をずっとさすって座り込んでる。

俺たちは3人でなんとか支えあいながら下まで降りた。
エレベーターを出ると、美穂さんがこちらに駆けてくるところだった。

「行きましょう」

そう言って車に乗り込んで向かった先は商店街だった。

「美穂さん、ここは…?」
「笹塚です。安藤にとっては灯台下暗しの場所なんですよ」
「どういうことですか…?」
「ここは、安藤の地元なんです」

商店街の中にある雑居ビル。
ここに俺たちは入れられた。
少し広めの部屋が空いていて、そこで今晩は過ごすことになった。

「たまたま知り合いがここを持っていたんです。今、借りてがいないから、暫く借受ました」

美穂さんがそう言ってテキパキと室内を整え始めた。

家具は一通り搬入してあって、隅には畳と布団が積んである。
あれで今晩は寝ろってことね…

「急なことでこれだけしか用意できませんでした。すいません…」

心底申し訳無さそうな顔をされたら、何故か今更安藤の恐怖が蘇ってきた。

/ 440ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp