第2章 sanctuary
コンビニの袋を見つめながら、ため息が出る。
雅紀は俺のこと好きだ。
友人としてではなく、恋愛感情を持ってる。
申し訳ないが、俺にはそんな趣味はない。
至ってストレートなんだ。
普段はいいんだけど、たまにやっぱりじっと見つめられたりとか。
切ない顔されると、どうしていいかわからなくなる。
友人として、雅紀のことは好きだ。
それはずっと変わらない。
「かずくん…」
後ろから翔の声がして我に返った。
「あ…目ぇ覚めたか?」
振り返ったら、翔が布団の中からこっちをじっと見ていた。
その顔はまるで女みたいだった。
どきっとした。
したあと、自分に突っ込んだ。
おいおい…翔は男だ。
何でドキドキしてんだよ…
雅紀の思いを否定しといて、そりゃねえだろ…
「ご飯、食べるか?翔」
こくんと頷いて、翔は起き上がった。
起き上がると俺に向かって手を広げた。
「え?」
「かずくんだっこ」
「翔…」
その顔は、絶対抱っこしないとご飯食べないって言ってるようで…
しぶしぶ翔を抱っこした。
「ほら、食べるぞ?」
「うん…」
俺の胸板に顔をごしごしこすりつけて、翔はにへっと笑った。