第9章 captive
「俺、アンタのこと…」
秀明は酷く小さくなって、俺の腕の中に居た。
「ん…」
「俺…」
「ん…わかった」
「雅紀…」
「わかった。ありがとうな…秀明」
ぎゅっと抱きしめ直したら、秀明は俺にしがみついた。
「おっさんは…もうダメだよ…狂ってる…」
泣きだしてしまった秀明の背中を、ずっと擦った。
どうしていいかわからなかったから、それしかできなかった。
暫くすると秀明は泣き止んで、俺の顔をじっと見た。
「ありがとう…」
「え?」
「…なんでもない…」
秀明はベッドから降りると俺を振り返った。
「俺、翼と寝るから。ここでゆっくり休んでよ…」
そう言ってにこっと笑った。
心臓が跳ねた。
思わず秀明の腕を掴んだ。
「え…」
秀明が驚いて振り返るのをベッドに押し倒した。
「雅紀…」
「…黙って…」
そっと秀明にキスをした。
「雅紀…?」
「秀明、欲しい…」
「え…?」
ぐっと秀明を引き寄せると、抱きしめた。
「好きになった…」
「雅紀…」
「お前も、だろ…?」
「…うん…」