第9章 captive
「なにすんだよ…」
秀明にさっきの勢いはもうなかった。
「いいから…抱かれてろ」
暫くすると、また秀明は喋り始めた。
「翔は…おっさんが大金出して買ったんだ…」
最初は、ただの性玩具のつもりで買ったらしい。
だけど安藤はすぐに翔に夢中になっていったそうだ。
「その間、こっちにくることなんて減ったよ…」
翔は安藤の本宅に居たらしい。
毎日毎日、何をやらされていたんだか…想像に難くなかった。
「俺も何回か翔の世話させられに本宅行ったことあるけど…ひどい状態だった…」
それ以上、秀明は詳しくは言わなかった。
「でもある日、翔は居なくなった。おっさんは必死で翔を探してた。俺も参加させられたよ…」
だから俺たちのことも、秀明は知っていたのだという。
「翔を探し当てたら、すぐにでも拉致る気だったんだけど、途中からガードが固くなった。おっさんは焦ってたよ…」
「そんなに翔が良かったのかな…」
「それもあるけど…翔の身体には…」
「え?」
「金の隠し場所が入ってるマイクロチップが埋め込んであるんだ」
「えっ…マイクロチップ!?」
「ん…あのおっさん、シャブやってんだ…」