第9章 captive
気がついたら、安藤との事を思い出して自慰ばかりしている自分がいた。
そして18歳の時、秀明は実家を飛び出して安藤の元を訪ねた。
安藤を探すのは苦労したけど、警察官を続けていたから、見つけることができた。
それからずっと、秀明は安藤の元で暮らしている。
「でもさ…別にあの人、俺じゃなくたっていいんだよね…あの人が一番執着してんのは…翔だから」
「えっ…」
「そうだよ…アンタのお仲間の二宮って人が囲ってる人だよ」
「囲ってるって…あいつらきちんと愛し合ってるぞ…?」
「えっ…だってあの人、ストレートだろ?」
「そうだよ…でも、すげえ愛し合ってるよ?俺、振られたもん」
「振られた?アンタが?」
「そうだよ。10年の片思いも実りませんでした」
「…てっきり、あの人のテクにメロメロになってるのかと思ってた…」
「バーカ…それだけじゃねえよ…」
秀明は俺の顔を見た。
「そっか…」
ちょっとさみしそうな顔をした。
「秀明は翔と会ったことないの?」
「あるけど、何回か…だから、あの人は特別なんだって…ここには連れて来なかったもん…」
また寂しそうな顔をしたから、抱き寄せた。