第9章 captive
小さな部屋には複数のパソコンとベッド。
秘密基地みたいだった。
「ここ、座って」
ベッドを示されて、大人しく座った。
壁に背を預けて座ると、秀明も隣に座った。
灰皿とタバコを俺に押し付けてきた。
いつも吸ってる、マルボロゴールド…買ってきてくれたんだ。
「ありがと…」
「ん…」
パッケージを開けて、タバコに火をつける。
「俺…アイツに強姦されたんだ…」
「えっ…」
秀明はそれからぽつり、ぽつりと喋り始めた。
14歳の時、安藤に声を掛けられたところから話は始まった。
その後、強姦されショックを受けて、一時は喋れなくもなったらしい。
「だけどさ…なんか知らないけど、俺、あのおっさんのこと忘れられなくて…」
秀明もタバコを吸いながら、昔を思い出していた。
家族はそんな自分に気づいていたのか、居なかったのか…
とにかく土地を離れることになった。
全く知らない土地に行って、しゃべることができるようになっても、秀明は安藤のことが忘れられなかった。
ある日、友人同士でアダルトビデオをみようということになった。
その時、秀明は自分の性癖に気づいたのだ。