第9章 captive
「ちょっと外出てくる。すぐ戻るから」
「…ああ」
そういえば、俺はここに囚われているんだった。
なんかここに来てセックスばっかりしてるから、忘れそうになってた。
俺って…バカだな…
「にーちゃ、たべう」
「はいはい。食べますよ」
なんか…調子が狂う。
こんなことしてると、捕まってるって雰囲気にならないんだよな…
「あの…」
タキザワが戻ってきてた。
「え?」
「服とか、買ってこようか?」
「え?いいの?」
「うん…あと…」
「え?」
「タバコ、何吸ってるの?」
食べ終わって、翼と一緒に茶碗を洗っていたらタキザワが戻ってきた。
大きな袋を持っていた。
すぐに戻ってきたから、少なくともここは街中に近い場所なんだなと推測できた。
俺の目線に気づいたタキザワが、きまり悪そうな顔をした。
「そこ、もういいから。風呂入ってくれば?」
「ああ…ありがとう」
タキザワに袋を渡された。
「下着とか入ってるから…タグは全部取ってある」
「おう。ありがとうな。なんだったらお前も来いよ」
「えっ…」