第9章 captive
コンロの火を止めると、タキザワは急に俺に向かって手を伸ばしてきた。
顎を掴むと、俺にキスをしようとする。
「ちょっ…なんだよ!急にっ…」
「俺のこと抱いたら、教えてやるよ」
「えっ…」
「アンタ、ゲイなんだろ?だったら俺の事、抱けるだろ?」
「ちょ、待って…」
無理やり口を塞がれた。
和也に振られて、侑李にも曖昧にされてたのに…
何でここに来たらモテモテなんだ。
いや、つーかそんな場合じゃねえだろ!
タキザワのキスは、とても乱暴で。
「待てって!」
「なんだよ…翼は抱けても、俺のことはだめってわけ?」
「そうじゃなくて!翼には襲われたし…俺、久しぶりだったし…薬のこってたし…」
「なにごにょごにょ言ってんだよ」
「つーか!安藤くるんじゃねえの!?こんなことしてていいのかよ?」
「フン…暫くこねえよ…」
またキスされそうになって、肩を掴んだ。
「待てって!何でお前のこと、抱かなきゃいけないんだよ…」
「はあ?俺がシたいからに決まってんだろ」
「こういうことは好きなヤツとヤれよ…な?」
「何いってんの。今時…」