第9章 captive
とても荒んだ目をしていた。
「安藤…か?」
「え?」
「こんなことしたの、安藤の指示か?」
「…ふーん…わかってんだ…」
「なんだよ」
「あんた、ずっと警察に居たから知らないのかと思ってたけど…」
「なんのことだよ?」
「よかったな…お仲間の、なんてったっけ…マツモト?命助かって」
「は?」
「…なんだ知らないんだ…」
「潤が…どうしたって?」
「なんでもない」
タキザワは立ちあがって部屋を出ていこうとした。
「待てよ!教えろよ!」
「服、着たら?また翼に襲われるよ?」
「えっ?」
タキザワは買い物袋を持って部屋を出て行った。
慌てて脱衣場に置いてきた服を着た。
ずっと着たきりだったから、着たくなかったけどしょうがない。
服を着たらミニキッチンに立つ、タキザワのところへ行った。
「なあ…教えてくれよ」
「……」
タキザワは何か調理しながら、でも何も答えない。
「なにも言えないのか?」
「…別に。そんなことないけど。あんた全部知ったら、殺されるよ?」
「え…?」
「そのくらい、あのおっさんはヤバイやつだよ?」