第8章 tower
暫くそのままで、翔とキスをした。
愛してるよ…好きだよ…
囁きながら、翔が慣れてくるのを待った。
「かずくん…すき…」
智の顔が浮かんだ。
こうやって相手に伝えられるありがたさを痛感した。
そして、一緒に居られる喜びを。
「俺も…翔が大好きだよ…」
ぎゅっと後ろから抱きしめて、腰を少しずつ動かす。
「んっ…んっ…あ……」
声を出すのを一生懸命こらえて、翔は壁に掴まる。
「翔…気持ちいいね…」
「うん…きもちいー…」
翔を抱きしめて、肌を密着させながら俺たちはいつまでも繋がっていた。
翔が湯あたりで倒れそうになって、やっと我に返った。
「ごめんっ…続きは後でしよ?ね?」
無理やり身体を洗い流して、浴室から出た。
「やあだ…かずくん…しよ?」
「おまえ、そんなフラフラで何言ってんだよ!」
翔をバスタオルで拭きながら、やっと外に出した。
冷蔵庫から買ってきてもらったペットボトルを取り出すと、翔の頭を冷やした。
「やらー…かずくんとすうのー」
「おまえ、呂律回ってないじゃないか…」
わからないなりに、翔にも感じるところがあったのだろうか。
そのまま俺のバスローブを掴んで離さなかった。