• テキストサイズ

Re・Birth【気象系BL小説】

第2章 sanctuary


跳ねまわる翔をなんとか捕まえて、服を着せコンビニに向かう。


「翔、お店で跳ねちゃだめだぞ?」


「はあい」


にこにこして俺の手を掴んでいる翔は無邪気で。


とても身体に無数の虐待の痕があるようには見えなくて。


じわり、涙が滲んだ。


「かずくん?」


翔が俺の顔を不思議そうに覗きこむ。


コイツが無邪気であればあるほど、健常者のやった罪は重いと感じる。


「なかないで?かずくん」


翔が袖で俺の涙を拭う。


「ん…翔、ごめんね…」


手を取って、再び歩き出す。


翔はずっと心配げに俺の顔を覗き込んでくる。


「おなかいたい?」


「ううん。違うよ?」


「あたまいたい?」


「違うったら…大丈夫だよ…」


日曜日の朝は、コンビニは空いている。


飛び跳ねそうな翔を抑えながら、なんとか買い物を済ませた。


「かずくん、こんびにたのしい!」


「…なにがそんなにいいんだ…」


会計を待つ間も、翔はキョロキョロして落ち着かない。


「あっ…かずくん!にくまん!」


「欲しいの?」


「かわいい」


「はあ?」


見るもの全てが楽しいようで。


翔はくるくると表情を変えながら、店内を見渡してた。
/ 440ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp