第7章 storm
「こいつが相葉さんを付け狙っているとの情報が入りました」
「えっ…なんで…?」
「理由はわかりません。ただ…」
「ただ…?」
「Gravityの送り迎えをずっとしていたでしょう。二宮さんと翔さんの」
「えっ…」
「だから…関連があるかもと申し上げました」
美穂さんが写真の安藤の顔を弾いた。
「相葉さんが邪魔だったんじゃないでしょうか。少なくとも公安ではそう思って動いているようです」
「こ、公安!?公安って、雅紀の先輩のっ…」
それまで黙っていた潤が一気にまくし立てた。
「ど、どうして美穂さんが公安の情報をこんなに握ってるんですか…」
智もごくりと唾を飲み込んで身を乗り出した。
「もしかして前職って…」
「そこはノーコメントで」
美穂さんが笑うと、美樹さんも噴き出した。
「とにかく、今回の逮捕劇は相葉さんの身を守るためのもののようなので、ご安心なさってください」
「あ、だから雅紀の兄ちゃんあんなに歯切れ悪かったんだ…」
「言わないでくれと言われていたんでしょうね」
「今回のものは逮捕歴にもなりませんから。大丈夫ですよ」
美樹さんがパソコンから目を上げて、俺達を見渡した。