第7章 storm
翌日、雅紀の兄さんに電話してみた。
昨日警察署には行ったらしいが、雅紀は釈放されなかった。
潤の撮った写真も提示したらしいが、話にならなかったらしい。
しかし、なにかおかしかった。
言いたいことがありそうなのに、俺には言えない。
そんな印象を受けた。
要領を得ないまま電話を切って、暫く考えこんでしまった。
今日は日曜で、ビルは無人だ。
翔を誰かに預けて行動するわけにもいかない。
潤に連絡をしたら、家に来ることになった。
行動するなら車が要るだろうって、俺達を気遣ってくれた。
翔のことを心配してくれていた。
ありがたい気持ちでいっぱいになった。
潤と智が家に来て、初めて遊びに来たことに気づいた。
DJ卓のある部屋に入れて、座布団を差し出した。
「ほえー。すげえじゃん。ここ」
潤が感心してきょろきょろしてる。
智は積んであるCDを漁ってる。
「これなら、翔、練習し放題だね」
なんて言われて、翔は嬉しそうに電源の入っていない卓をいじってた。
「で。あの報告書見てなんかわかった?」
潤がお茶に口を付けながら聞いてきた。