第7章 storm
中年のおまわりの名前は、安藤といった。
安藤は警察学校を出て、ずっと都内の警察署に勤務している。
有能だったらしく、警察学校出にしては早い出世を遂げていたのだが、ある時期から派出所勤務に変わっている。
そのまま10年以上派出所勤務が続いている。
これは…何かあったなと思わざるをえない。
その10年前の出来事は、これから調査をするという旨、書かれていた。
ただ、警察の隠蔽であった場合容易には全容はわからないことがことわられていた。
そしてもう一通。
雅紀の先輩だというおまわり。
ものすごく綺麗な顔をしている。
こんな綺麗な顔して、公安なんてやってたら目立ってしょうがねえだろうに…
こいつの名前は小原といった。
年は雅紀の3つ上の28歳。
小原は大学を出て警察に入っている。
いわゆるキャリア組だ。
だが、ある時を境にどこに所属しているのか明らかになっていない。
時期ははっきりしない。
身元に関しては、雅紀の知っている通りだということが書いてあった。
その辺りは雅紀の兄さんにでも訊いてみるか…
報告書からわかった情報は、とりあえず頭に叩き込んだ。
後は…どう動こうか…
翔の横に滑りこんで目を閉じたけど、一向に眠りは訪れなかった。