第7章 storm
その帰り、風間の車で送ってもらった。
「すいません、道案内お願いします」
風間に頭を下げられるのはなんだか辛い。
「ねえ風間さんのほうが年上なんだから、敬語やめない?」
「あ、誕生日、一緒です」
「え?マジで?なんで知ってるの」
「さあ…なんででしょうね」
にやりと笑ったまま、風間はまた黙りこんだ。
ガオは助手席でくっくと笑ってる。
「風間、いいじゃん」
「はい…」
でも風間はしゃべらない。
頑固な奴…
ガオが確か、今年39歳だったから…風間は32歳だったかな。
随分年上なのに、敬語やめてくれない…
居心地が悪い。
「カズ。とりあえずさ、アンタ達のことは全面的にバックアップするから」
「ありがと…ガオ」
「アンタはちゃんと翔のこと、守ってやんなよ?」
「わかってるよ…そんなこと…」
「そうだね…言わなくてもわかってるか…」
またちょっとガオは笑った。
風間がガオの横顔を見て、微笑んだ。
…惚れてんじゃん…
「あの麻取の刑事さ、そこからなんか探れないの?」
「さあ…やってみるけど、期待しないでね」
「わかってる。なんでもやっておいたほうがいいかと思ってね」