第7章 storm
VIPに入って、調査報告書を手にして、色々と検討した。
俺は雅紀の兄さんに連絡を取った。
「どうだった?」
潤と智が俺の顔を見る。
「うん。すぐに警察署行ってくれるって」
「ばかだよな。あいつらも。ハメるなら、俺たちみたいなどうしようもないのにすればいいのに」
雅紀の家は、有名企業をいくつも持ってる家で、日本でその名をしらない者はいないってほど。
そんなところのボンを誤認逮捕なんて、シャレにならないと思うんだけどな…
こっちには潤の持ってる証拠がある。
だから強気に出られるはずだ。
念のため、俺たちは潤のもってる写真データを共有した。
そのデータを雅紀の兄さんにも送っておいた。
「この探偵にさ、先輩の正体突き止めてもらおうよ」
潤が言ってるけど…
「費用どうすんだよ…俺たち払えないだろ…」
「あ…」
「径に借りるよ」
「えっ?」
「実はね…STORMのこと言ったら、ぜひ鍵部屋で雇いたいって…」
「まじかよ!なんで早く言わないんだよ!」
潤がまたでかい声を出した。
「だから、和也のことあるだろうが!」
珍しく智も殺気立ってる。
無理もない…雅紀があんなことになってるんだから…
「まあ、ちょっと落ち着け」
二人の肩を持って、ソファに座らせた。