第6章 two
「な、なに言ってんだ?翔」
「なまえ、あらしがいい!」
「待て待て…そんな男塾みたいな名前だめだろ…」
「あらし!あらし!」
「うもー…お前ちょっと黙ってろ…」
翔をソファに押し倒してほっぺたをむにゅっと横に引っ張ってたら、潤が呟いた。
「いいんじゃね?英語にして、STORMとかにする?」
「え?マジで言ってる?」
「いいじゃん…クラブに嵐を起こすんだよ」
「なにどっかのアイドルみたいなこと言ってんだよ…」
「はあ?」
「いや、なんでもね」
「じゃあSTORMでいいね?」
潤が雅紀と智の顔をみたら、二人は頷いた。
この二人はネーミングセンスなんてないから、端から諦めてるんだろう。
「じゃあ雅紀、なんかロゴ作っといてよ。あ、名刺みたいなのとか」
「じゃあ、連絡先は俺んとこでいい?」
「ああ。雅紀んとこ窓口にしとこっか…」
その後、いろんなことを話し合った。
身近にDJでグループ作ってる人なんて居なかったから、何を参考にしたらいいかわからなかったけど。
なんとか形になったかもしれない。
Gravityの帰り道、雅紀の車に揺られながら、俺はにやけが止まらなかった。