第6章 two
「チームかあ…いいね」
俺が身を乗り出すと、潤も身を乗り出してきた。
「だろ?なんかさ、名前みたいなのつけてさ、それでいろんなハコに営業かけんのもいいんじゃねえかなって」
「おお!すげえ!」
俺達が話しているのを智は黙って聞いている。
急に雅紀が乗り出してきて、俺達のデコを叩いた。
「いって!」
「ばーか。てめえらだけで盛り上がんなよ…。そういうのは俺に任せろ」
「え?」
「俺、一応グラフィックデザイナーだぜ?ロゴとかデザインしてやるよ」
「マジか」
雅紀は副業と言い張っているが、一応グラフィックデザイナーとして事務所を持っている。
親の金の力だけど。
「じゃあ、俺、鍵部屋に話通しておくよ」
「えっ!?智!?」
「兄貴に、和也はチームでやりたいって言ってるって言っておくから」
「ほんと?でも…」
「ごめん。なるべく、和也には兄貴に接してほしくないんだ。兄貴、結構一途だからさ…」
「あ、まあ…そういうことなら、任せるけど…」
「うん!俺に任せて!」
「じゃあ、どういう名前にするよ?」
潤が子供みたいな顔をしながら、俺達の顔を見る。
「んーそうだなあ…」
「あらし!」
急に翔が叫んだ。