第6章 two
「俺んちの回り、うろついてるおまわりがいてね…そいつの顔見て、こいつ倒れそうになって…」
「なんで…そんな…」
潤がつぶやくと、智が袖を引いた。
「翔のこと、忘れらんないんだろ…」
俺がつぶやくと、沈黙がVIPに流れた。
「しかも大金出して買ってるだろうからね…今だに翔のこと、自分のもんだと思ってんじゃないの?」
ぎりっと奥歯を噛み締めた。
「絶対、そんなことさせねえけどな…」
「和也…」
智が俺の顔をじっと見てる。
「それにさ。俺、お前たちと離れんの、まだ嫌みたい」
「えっ?」
「だからさ、まだGravityで回したいなって思ってる」
「和…でも…」
「それにさ、翔もやっとお前らに懐いてきたとこだしさ。今、環境変えたくないんだよ…」
「カズ…そんなに翔のこと考えてんだな…」
「わりいかよ。恋人だもん」
「そ、そうだよな…」
潤は顎をぽりぽりと掻いて、俺の顔を見る。
「あのよ。ちょっと提案なんだけどさ。チーム組まね?」
「え?」
「いや、なんかさDJのグループみたいなのがあってもいいかなって…俺も、まだまだお前たちと遊びたいしさ」
照れくさそうに潤が笑った。