第1章 ~第一章~甘い時間
―ルイside―
(…ユヅキ、今日も公務で忙しそうだったな…)
そう思ながら自分の部屋へ向かおうとすると、アランが歩いてきた。
アラン「…大丈夫か?なんか元気ねぇな」
「……そう…?」
少し眉をよせながら尋ねてくるアランへと視線を向け、首を傾げながらルイは答えた。
アラン「…あぁ、相変わらずプリンセスもお前も公務で忙しそうだしな」
「…確かに今日もユヅキは忙しそうだったけど、俺はもう終わったから」
そう言ってルイはふっと笑みを浮かべた。
そんなルイの姿を見てアランも笑みを浮かべながら、思ったことを伝えた。
アラン「…お前、ユヅキと出会ってから本当に変わったよな。特にユヅキと一緒になってからは…なんつーか、雰囲気が優しくなった」
(俺の雰囲気が優しい…?)
一瞬、目を見開いて驚いた表情を見せたルイだったが、少し頬を染めながらすぐにそれを隠すように呟いた。
「…俺は何も変わってないよ。ただ大切な人と…ユヅキとずっと一緒にいられるから少し、浮かれているのかも…」
そんな幸せそうなルイの姿を見て、アランはまるで友人を心から祝福するような優しい笑みを浮かべた。
アラン「…そういえば、今日はルベント王国のプリンセス達との会議だけだから、終わったらジルにルイと一緒に過ごせる時間をもらえないか頼んでみるってユヅキが言ってたぞ」
(……ユヅキが…?)
それを聞いてとても驚いた表情を見せたルイだったが、すぐに"アラン、教えてくれてありがとう"と言って踵を返して行った。