As well be hanged for .....
第11章 裏切りは手に 真実は足に 前篇
ウリエはゲームに集中しているシエルの隣に座り、一緒にテレビ画面を見つめる。
「シエル。」
「なんだ。」
呼びかけてもテレビから視線を外さないシエル。
顔にウリエの視線は感じる。何となく次に出てくる言葉も予想が付く。
だから、少しからかって見ることにした。
「おねだりなら聞いてやる。」
コントローラーを操作する手を止め、左に座るウリエへ視線を向ける。
すると、案の定不機嫌そうな顔をしたウリエ。
「偉そうに……。」
「なんだ?」
「えらっそうに!シエルはただの居候でしょ?なによ、その態度!セバスチャンみたいにお仕事するわけでもないし、私みたいに勉強するわけでもないし!そんなのただのニートじゃない!ニート!」
「ニ、ニート?」
「無職よ!む・しょ・く!」
ぐぐぐ、とシエルにつめよるウリエ。
珍しく一方的にシエルが攻め立てられ、ウリエが優勢だ。
「だいたい!なにが悪魔よ!私の魂が欲しいからって偉そうなのよ!だったらさっさと食べちゃいなさいよ!別にいいわよ、私のお願いなんて聞いてくれなくったって!」
「ちょ、ウリエ…」
「食べないんだったらどっか行け!シエルの馬鹿!ばーか!」
「お、おい…」
ずだだだだ!とマシンガンのように息継ぎすることなく言い切った後、堤防が壊れたのかと思うほどの涙がウリエの緑の瞳からあふれ出た。
「うぇーん!シエルのばかぁ!わーん!」
子供のように泣きだしてしまったウリエ。
シエルは慌ててポケットからハンカチを取り出し、大泣きする彼女に慌てて手渡す。