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As well be hanged for .....

第10章 女は投げやりに 男は完璧に 後篇



カチリ。と再生ボタンを押すと、誘拐事件の時の映像らしく、ピエロと共に何かを相談している、義足の男が映っていた。

「ここはレオーネンの貿易港よ。この映像はきっとエドガーの私物の防犯カメラの映像。」

義足の男は顔を隠していて素顔はうかがえない。
仕立ての良さそうなスーツにお面、左の靴は暗くてよく見えないが艶があるように思える、そして右足は現場に残されていたような丸い細長い棒だ。
しかし、その男が着ているスーツには一面に文字の羅列がデザインされている。

「LUCIFA?」
「本当はLucifar…だと思うのだけれど、最後にRが足りない。忘れたのかしらね。」
「間の抜けた奴が着るには丁度いい。文字だらけのスーツを着るなんてよっぽど信奉しているんだろうな。」

映像は進んで行き、「義足の男」がちらりと防犯カメラを見上げたところで映像は終了している。
チップの中にはエドガーからのメッセージも添付されており、こちらも厳重にカギが掛けてあった。

『我が神聖なるレオーネン港のコンテナが一つ丸々武器庫になっていた。わが社は武器を扱っていない。コンテナも武器も何処から来たものか分からない。調べるなら自由に出入りできるようにしてある。』
と、書いてあった。

「彼が共犯者と言う事も考えられますか?」
「いいえ。それはないわ。エドガーは根っからの警察官だし、正義感の塊で、多少汚い物に手を突っ込んでも絶対に犯人を捕まえるような人よ。」
「まさに、これは許せない状況。と言う訳ですか。」

表立ってこの事を調べる訳にはいかない、とエドガーは判断したからこそ彼女にこれを渡したのだろう。
まだ、この事は女王に伝わってはいないはず。
女王の番犬としては全く関わり合いの無い事柄だ。
しかし、ウリエ・フェンベルグとしては実に興味深い案件であり、無視できない状況。
シエルは黙ったままのウリエへ視線を向ける。
セバスチャンも彼女の判断を待つ。

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