As well be hanged for .....
第10章 女は投げやりに 男は完璧に 後篇
セバスチャン曰く。
庶民の間では女王の評判は下降気味で、ろくな政策も出さず景気が上がらず、それにもかかわらず女王は毎夜遊び歩いていると言う噂が流行っていると言う。
「どうせ、政策に使うお金はきっと悪趣味な薬品集めに使っているんだろう。もし、市民に薬品を大量に輸入している旨の事がばれた時、それを知った人間を殺すためにお前は必要不可欠。」
シエルはリエラを薬品付けにして殺したのは女王の采配ミスだと言う。
「じゃぁ、父様は?」
「女王は関係ないんじゃないのか?」
「えぇ。私もそう思います。事件のファイルを見ても女王サイドが関わっているとは到底思えません。」
では一体父は誰に殺されたのか。
うーん。と三人は首をかしげる。
シエルがセバスチャンに、何とかして調べてくる事は出来ないのか。と言うが、何年も前の事件であるし、現場に行っても証拠は雨風にさらされて風化してしまっているだろう。
さすがのセバスチャンでも、その状態から新たな証拠を見つけるのは不可能だ。
しばらく唸ってからウリエはひとつ捻りだした。
繋がりがハッキリあるとは言えないけど、と。
「やっぱり「義足の男」かしら。」
「そうですね。今のところ何一つ解決されていないのは「義足の男」が関連している事件ばかりです。」
「あ、そう言えば昨日の夜。」
シエルが何かを思い出し、PCを操作する。
ウリエもそんなシエルを見て、同じように、あ。と声を上げた。
額を寄せてPCの画面を覗きこむ。
「あのチップに入っていたのは防犯カメラの映像だった。」