As well be hanged for .....
第3章 仕事は真面目に 趣味はほどほどに
セバスチャンは時折、なぜ主人が彼女と契約をしたのかと疑問になる。
今の主人に加えもう一人、手はあまりかからないものの、コブが付いてしまったようでため息が出そうになる。
それでも、セバスチャンの興味をそそるには、勿体ないほどの二人だ。
これぞ悪魔冥利に尽きる。
シエル・ファントムハイヴが人間から悪魔になって100年ほど。
世界の移り変わりは激しいが、悪魔である二人にとっては一時のまどろみにすぎなかったのかもしれない。
今までと変わらず、二人が主人と執事である事は不変で。
世界ばかりが二人を過去に置いて行った。
ウリエ・フェンベルグがシエル・ファントムハイヴを呼んだのは、何か二人を繋げる不思議なイトがあったのだろうか。
時は多く過ぎていても、根幹にある黒い影は何ら変わる事は無かった。
影を喰う運命に囚われた二人が出会うのは必然だったというのだろうか。
まどろみの中の悪魔は少女の歯車の一部となり、また動きだす。
「お嬢様。今日はこのぐらいにしておきましょう。」
「うん。」
「では、午後のティータイムの準備をして参ります。」
セバスチャンが二人分の剣を片付け、ウリエとシエルは仲良く今日のティータイムをどこでするか小競り合い。
いつもの室内を所望するシエルとお天気がいいからと中庭を目指すウリエ。
今日はウリエの希望した中庭に決まったようだ。